学校で使用されている「美術(アート)」の教科書は、日本と欧米では大きく違っている。日本の「美術」の教科書は厚さが薄い。そしてなによりアートは自由に見ることが大事だと書いてある。
一方、欧米の「アート」の教科書は分厚い。それは「アート」=「美術史」だからだ。現代美術の最前線の作品の背後にはラスコー洞窟の絵からはじまるギリシア・ローマ、キリスト教、ルネッサンス、印象派などなど膨大なヒストリーとコンテクストがあり、それをどれだけ感受できるのかが重要で、それこそが教養の基準とされている。
それは日本の教科書では学べない。美術史を知らないから、いつまでたってもリテラシーが確立せずに、あいちトリエンナーレ問題などさまざまな事件が起こってしまう。
ホワイトルームでは、アートのリテラシーを確立するため、最前線にいるトップクラスの研究者、アーティストによる集中講義を行います。
[日程]
2021年3月14日(日)
※ 10:00〜17:45を予定しています。
※ 本講義は【1日集中講義】です。
[受講料]
10,000円(税込)
[会場]
東京都渋谷区道玄坂1-20-9
寿パークビル2F・WHITE ROOM
[会場受講定員]
30名
※ 会場受講は定員に到達し次第、募集を終了します。
[オンライン受講]
※ ご来場でのご受講、オンラインでのご受講で受講料は変わりません。
※ オンラインでのご受講をご希望の方は、申込みフォームで「オンラインでの受講を希望」を選択してください。
[シラバス]
日本ではストリートアートというとBanksyだけが取り糺されていますが、そもそもBanksyはストリートアーティストの1人であり、グラフィティとストリートアートへの理解があってこそBanksyについてより深く知ることができます。またストリートアート について考えるとき、一般的に欧米だけを中心としたカルチャーとして捉えられていますが、日本、特に東京はストリートアートの歴史の中で非常に重要な場所です。本講座では現代美術とグラフィティを中心としながら、ファッション/ヒップホップ/インターネットカルチャー/デモ、様々な運動が混ざり合うストリートアートについて解説します。ストリートアート について知ることは「もう一つの美術史」に光を当てることと同時に、東京の記憶を発掘することにも繋がります。帰り道の渋谷の街がいつもとは全く別の風景に映る、そんな講義にしたいと思っています。
3/14(土)10:00〜17:45
10:00〜11:30 | ① ストリートアートとは何か? | ストリートアートの概要について解説し、世界各国のストリートアーティストを紹介します。 |
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11:45〜13:15 | ② グラフィティとストリートアートの歴史 | ニューヨークで70-80年代に発展したグラフィティとストリートアートの定義、歴史について解説します。 |
14:30〜16:00 | ③ 日本とストリートアートの歴史 | 80年代に日本にグラフィティやストリートアートが流入した経緯、また当時の東京のカルチャーシーンについて振り返ります。 |
16:15〜17:45 | ④ 日本のストリートアーティスト、日本のグラフィティライター | 00年代に広がりを見せた日本のグラフィティシーン、またそれに関連して発展した日本のストリートアーティスト達の活動を紹介します。 |
松下徹(まつした・とおる)
1984 年神奈川県生まれ。2010年東京藝術大学先端芸術表現にて修士号を取得。2012年より高須咲恵とSIDE COREを設立。 アーティストとして活動する傍ら、SIDE COREの一員としてグラフィティを中心としたストリートカルチャーに関するリサーチや、多様な領域のアーティスト達が参加する展覧会を開催。また壁画プログラムやナイトウォーク、音楽フェスティバルなど公共空間を舞台する様々な企画に関わっている。主な展覧会に2021年「やんばる芸術祭」2020年「PUBLIC DEVICE」(東京藝術大学)2020年「生きている東京」(ワタリウム美術館)2020年「大京都芸術祭」(京丹後市)「Out of Blue Print」(Serpentine Galleries/NOWNESS)
新型コロナウィルス感染拡大によるオンライン講義について
WHITE ROOMとは
今や日本を代表する場所である渋谷スクランブル交差点。そこを見下ろすようにある井の頭線ホームに向かうブリッジには岡本太郎「明日の神話」があり、夜、ブリッジからスクランブル交差点を見下ろすと、ガラス越しに「明日の神話」とスクランブル交差点を行き交う人や車が重なって見える。その情景は、311からコロナ禍に至る災間という時代を象徴するように、まるでそこがゴッサムシティの一角であり、渋谷駅前という谷に、ホアキン・フェニックス演じるジョーカーのように踊りながら落ちてくる人々が行きかっているように見える……。
スクランブル交差点から109を斜めに見て道玄坂を登りきったところにホワイトルームはあります。まっしろに塗りたくられた部屋には、4Kのプロジェクターが備え付けられており、そこでは世界の最前線のアート画像が珠玉の解説とともに見ることができます。
新型コロナ感染症対策につきまして
※ 新型コロナ感染症対策のため、マスク着用でのご入場と会場入口での消毒をお願いいたします。
※ ご入場時にスタッフによる検温を実施させていただきます。37.5度以上の発熱がある方は、ご入場をお断りさせていただきます。
※ 講義間の休憩中に換気を行いますので、ご協力をお願いいたします。
WHITE ROOM STAFF
主宰:穂原俊二(転石堂書店)
岩根彰子
木村瞳/安藤卓也(CYZO)
TITLE DESIGN
羽良多平吉
WHITE ROOM講義一覧
神野真吾・西洋美術全史 [ 2021/1/23-24講義 ]
山本浩貴・現代美術史 [ 2021/2/20-21講義 ]
松下徹・日本とストリートアートの歴史 [ 2021/3/14 講義 ]
加治屋健司・日本現代美術概論 [ 2021/4/17-18講義 ]